2011年4月11日月曜日

『リエンジニアリング革命』(M.ハマー&J.チャンピー)

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 本日は経営学の書籍の中でも有名な『リエンジニアリング革命』(著:M.ハマー、J.チャンピー)を取り上げます。この本は1993年に米国で出版されたロングセラーテキストです。もちろんその時期私は小学生以下だったので、読んだのはつい先日のことになります。出版されてからのビジネス・プロセス・リエンジニアリングブームに関しては書籍の知識に依存することになりますので、何卒ご容赦を。

 そもそも、リエンジニアリングとは何か?曰く
リエンジニアリングの定義:「コスト、品質、サービス、スピードのような、重大で現代的なパフォーマンス基準を劇的に改善するために、ビジネス・プロセスを根本的に考え直し、抜本的にリデザインすること」(p.60) 
と定義されており、 重要な4つのキーワードとして

  1. 根本的
  2. 抜本的
  3. 劇的
  4. プロセス
の4つがあげられています。もっと噛み砕くと「機能別組織の部署を超えて、開発から販売までのプロセスを一本化し、シンプルかつ迅速なフローを構築する」ようなことです。自社の事業がなぜこのような手法をとっているかを改めて問い直し、顧客を第一に考えたシステムに変え、内部の手続きを削減することです。
この説明では若干絞りすぎていますが、基本は上の定義の通りです。

さてさて、このリエンジニアリングという考え方、経営学のテキストとしては広く読まれているようですが、実際のところは、本書でも「着手した会社のおよそ50~70%は意図していたよう劇的な結果に到達していないのである」などと書かれているように、上手くいかなかったそうなのです。
上手くいかなかった理由について深堀りするのはやめます。本書にもきっちり説明されていますし、様々な書評に書いてあることでしょう。

余談ですが、つい先日、違う大学に通う経営学部の友人から、就活の面接でよく専攻の経営学について突っ込まれるので何か良い本を薦めてと相談を受けました。それも出来れば有名どころで安価に手に入る書籍とのこと。
悩みますね。実務に精通した社会人の方を相手にするのだから、順当にドラッカーなんですが、ドラッカーはあまりにも広まっているので、「マネジメント」一冊読んだだけでは簡単にぼろが出ます。(結局もしドラにするそうな)
では「ビジョナリー・カンパニー」とか?いやいや…。
短期決戦の場合、包括的に知ろうとしても、広く浅くになってしまい、大した印象など与えられないのかなあと思います。できるだけ自分の専攻範囲に近いところで、最新の研究で、1冊を読み込むのがよいのかなと思います。

本書に関しても、関連書籍はありますが、一回原点となった本を読み込んでみると意外と近道になるかもしれないですね。


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