最近読み終えた本について、こつこつ書評を書いていこうと思います。
第一冊目が『組織行動論の実学 心理学で経営課題を解明する』(DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー)というビジネス書です。
この本は経営課題の中でも組織で働く人々の行動や態度といった部分を組織行動学、社会心理学視点からハーバード・ビジネス・レビューに寄稿された論文をまとめた本です。
私が気になったキーワードとしては、
- 「組織の構成員から見られる7つの組織像(特に受動攻撃性)」
- 「転移」
- 「神経症的インポスター(詐欺師)」
この本の第一章では特に「受動攻撃型」組織(一見穏やかだが、あらゆる手を使って組織に公然と反発する勢力。この組織の力が強いと、一旦決まったはずの計画がなかなか進展しないような状況になりやすい。)について多くページを割いていますが、その他の組織像についても、自分の所属している組織がどの形に近いのか自己診断する手助けになるかと思います。
次に気になった「転移」というのは第9章に書かれています。私は心理学に関しては門外漢で「転移」とは何ぞや?ぐらいの知識でしたが、要約するとリーダーについていくフォロワーはリーダーに対してどのような感情を抱くかという話で、リーダーを肉親と重ね合わせて感情を移してしまうということには純粋にそうなの?と思いました。無意識とはいえ、リーダーを父親や母親に重ね合わせて見ているなんてぞっとします。(僕が一線引くタイプだからかも)「お国柄で異なる転移」もなかなか興味深いです。
第10章の「神経症的インポスター」は要約すると「卑屈な完璧主義者」で、高い成果や業績を上げているにもかかわらず、その成果を「まがいもの」と思い込み、自分で自分の成果を認められないという症状らしいです。完璧主義といえば、日本人のお得意技のようなところで、日経ビジネスassocie(2月15日号)にも「完璧グセ」と紹介されていましたが、いい心がけだがやりすぎ厳禁な主義で、これが極端になりすぎると「神経症的インポスター」になってしまうと思うと、わが身を振り返ってみないといつこうなってるか分からないのでぞっとしました。
この書評では自分の気になったところを少し紹介などしてみましたが、何かしらの組織内にいる人なら多かれ少なかれ経験したことがある方には、ま新しさはないです。大体2007年に出た本ですので、今はもっと新しい論文が出ていてもおかしくないと思います。
しかし、何らかのフレームワークを得たいと思う方には良本だと思います。あと読みやすいです。高いけど。
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